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トリクルダウンはすでに起きている?

※ 2019/07/28にnoteへ投稿したものに少し追記して転載しています。

トリクルダウン理論とは、

「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」 コトバンクより

という考えを主軸とする経済理論だそうです。

日本ではアベノミクスに含まれる量的金融緩和によって、トリクルダウンが起こると考えられましたが、変化は思うように現れず、むしろ格差が広がっているようにも感じます。その原因はトリクルダウン理論を逆さに見てしまったことにあると考えています。

経済学的にとか難しいことは分かりませんが、見誤ってしまった原因や僕の考える本来のトリクルダウンについて書いていきます。

トリクルダウンというネーミングのおかしさ

水は高いところから低いところへ、少ない方から多い方へ流れていきます。自然界でいえば、山から海へ水が流れていき、山よりも海の方が水量が多くあります。まあ、当然ですね…。僕の考えでは、富の流れもそれと同じで、高いところから低いところへ、少ない方から多い方へ流れていきます。

でも、現行の「トリクルダウン理論」ではそれとは逆に、富は多い方から少ない方へ流れていくと考えられています。

ネーミングがおかしさ」というのは、トリクルダウン(滴り落ちる)という水などの液体を連想させる言葉を使っていながら、その性質に則った理論にしていないというところです。

あるいは、そもそも富の流れは水の性質に例えられるものでないと考えるなら、それらを連想させるような言葉は使うべきではありません。

シャンパンタワーのペテン

では、なぜ富の流れを逆さに見てしまったのでしょうか?

トリクルダウン理論の説明によく使われるシャンパンタワーの見せ方に、ペテン師がよく使いそうなトリックが隠されていたからだと考えています。

僕もまんまと騙されてしまっていました…orz

シャンパンタワーとは、グラスをピラミッドのように積み上げるあれです。トリクルダウンの説明では、天辺からシャンパン(なぜかワインっぽいイラストが多い)を流し入れ、徐々に下段に広がっていく様子で富の流れを表現します。

どのような部分がペテンかというと、上段に一握りの富裕層、下段に庶民や貧困層と見せているところです。上にいるのが金持ちな人で、下にいるのが貧乏な人だという固定観念がこのペテンのタネ?です。

シャンパンタワーによるトリクルダウンの説明において、シャンパングラスとシャンパンは、段ごとに一人分の富の量を表現していて、グラス一杯分の富を持つ人から、グラス数杯分の富を持つ人に流れ、さらに数十杯分の人、数百杯分の人と…順々に流れていくというのが本来の見方だと考えています。

人の量と富の量、この2つの取り違いがトリクルダウンを逆さに見てしまった原因ではないでしょうか。

余談ですが、保有資産の上限が決められているような超共産主義的な世の中であれば、もしかしたらこの理論でも機能したのかもしれませんが、資本主義的な世の中では難しいと思います。

トリクルダウンはすでに起きている?

本来の意味でのトリクルダウンはもう既に起きているのではないかと思います。本来の意味とはつまり、少ない方から多い方へ富が滴り落ちているということです。

今、日本でも世界でも格差が広がっています。先進国と呼ばれる国々では、この状況を問題視しているとは思いますが、なかなか改善はされません。

貧富の格差さらに拡大 世界のビリオネア26人が貧しい38億人と同じ資産を保有(木村正人) – 個人 – Yahoo!ニュース

トリクルダウンの説明には「自然に富が滴り落ちる」とあります。「自然に」という言葉の意味を考えると、放っておいてもその方向に流れていく様子を想像します。つまり、放っておくと格差が広がっていく現在の状況を考えると、富は多い方から少ない方に流れるのではなく、少ない方から多い方に流れるのが「自然」だと考えられます。

僕の考える本来の「自然に富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」のイメージとしては、

・木立に降り注ぐ雨(庶民の収入)
・葉から滴り落ちる水滴(支出)
・土に染み入る水滴(生活・文化基盤の形成)
・川の流れ(流行)
・大河の流れ(大流行)
・大河から海へ(大富豪の懐へ)

といった感じです。

主に乾燥地帯に生息する多肉植物は、体内に水分を蓄えることで、その環境に適応していると考えられます。人間もそれと似ていて、安定した収入が見込めなかったり、収入が少ない場合には、貯蓄を続ける事で環境に適応していくのではないでしょうか。

今までのトリクルダウン理論を逆さにすることで、富の流れが自然になり、色々な面で好循環を生み出すのではないかと考えています。

代わりのネーミング

じゃあ、今までトリクルダウンだと考えられてきた理論はなんて呼べばいいのでしょうか?

僕はバケツリレー理論が最適ではないかと思います。多い方から少ない方へ、主導する誰か(行政など)の掛け声によって一段ずつ富を持ち上げていき(賃金アップなど)、上からまた流す。「二度手間」だし「自然に」とはいきませんが、なんとか機能する可能性もあるかもしれません。

おわりに

これから日本では、量的金融緩和とバケツリレー理論によって物価は徐々に上昇していくと思われます。ですが、バケツリレーは「自然に」とはいきません。物価上昇のみを目標にして、達成後に手を休めてしまったら、格差が広がったままの状態になってしまうのではないかと危惧しています。

以上、経済学など全く知らないド素人の意見でした。でも、経済学者が正しく経済の仕組みを理解していれば、世界はこんな状況になっていないと思うので、まあド素人の意見も有りかなとも思います。

ひふみ神示から2帖ほど…

『水が逆に流れるのであるぞ。上下でんぐり返るのであるぞ。上の人が青くなり、下の人が赤くなるのであるぞ。取りちがひないように理解して下されよ』(月光の巻 第五十八帖)

『逆立ちして歩くこと、なかなか上手になりたれど、そんなこと長う続かんぞ。あたま下で手で歩くのは苦しかろうがな、上にゐては足も苦しからうがな、上下逆様と申してあるが、これでよく分るであろう、足はやはり下の方が気楽ぞ、あたま上でないと逆さに見えて苦しくて逆様ばかりうつるぞ、この道理分りたか。岩戸開くとは元の姿に返すことぞ、神の姿に返すことぞ』(下つ巻 第十三帖)

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