BLOG

迫りくる大失業時代に備えて…『期限付き電子マネーによるベーシックインカム』の提案

photo by Ashley Webb

将来起こり得る問題として危惧されている「自動化(オートメーション)に伴う失業者の増大」の解決案として、「ベーシックインカム」が必要になり、それを「期限付き電子マネー」で支給し、ある程度の制限を加えたものにすることで、最適なカタチになると考えています。「期限付き電子マネーによるベーシックインカム」についての運用案、予想される利点や懸念される問題点をまとめました。政治に関しても、経済に関しても素人の考えなので、指摘箇所や見えていない問題点などもたくさんあると思います。遠慮なく意見を頂けると嬉しいです。

なぜ、ベーシックインカムが必要になってくるのか

人工知能やロボット技術の進化により自動化が進み、多くの仕事が代替できてしまうといった問題が、最近よく話題になります。現在ある仕事の49%が代替できてしまうという試算もあり、それに伴う失業問題が危惧されています。

テクノロジーがこのままのペースで進化していけば、十数年後には失業者が大幅に増加することは免れませんが、それと連動して起こる大きな問題として考えられるのが「消費力の著しい低下」と「テクノロジーの進化の停滞」です。どういった流れで、そうなると予想できるのかを簡潔に書いていきます。

1.自動化が進むことで失業者が増え、収入を得る人が減少する。

2.お金を持つ人が減少することでモノが売れなくなり、企業の収益も減少する。

3.経費削減の為に企業は従業員をリストラし、さらに自動化を進める。

4.失業者が増大し、景気が悪化することで、社会的にテクノロジーの進化に対する拒絶反応が強くなる。

5.増大した失業者やその家族が団結して、人工知能やロボットを導入している企業に対しての不買運動を開始する。

6.大多数の意見を代弁する政治家が勝利する。

7.テクノロジーに頼り過ぎない社会や経済圏の再構築が始まる。

8.投資家は利益の見込めない最新テクノロジー関連への投資を控える。

9.テクノロジーの進化が停滞する。

現在の社会制度のままでテクノロジーが進化し、自動化が進んでしまうと、こういった流れになることが一つの可能性として考えられます。消費がなければ、生産の価値はありません。ベーシックインカムを導入して、ある程度強制的に消費活動を続けさせることで、生産活動の価値も保つことが出来るのではないかと思います。

ベーシックインカムは「国民の生活保障」の為だけではなく、「現行経済の継続」と「テクノロジーの進化」を将来にわたって続けていく為に必要不可欠な制度なのではないかと僕自身は考えています。

「期限付き電子マネーによるベーシックインカム」について

基本的な仕組み

・支給額…
成人は月々11万円程度。未成年は、本人に対して月々1万円程度、保護者に対して月々10万円程度。

・使用期限…
1年程度。使用しなかった分は期限切れとなる。

・使用場所…
審査を通過し、決済システムが導入されている商店や施設など。

・現金への換金…
期限付き電子マネーを受給者本人が直接現金に換えることは不可。商店や施設等で使用された後、受領した側が資産として扱える。

運用案

・毎月、マイナンバーカードに「期限付き電子マネー」がチャージされる。

・軽減税率で購入できる。

・借金の返済はできない。[最低限の生活を保障するものである為]

・支払える家賃に制限を設ける(6万円程度?)。超過分は現金をプラスして支払える。[全額を毎月の家賃の支払いに充てられてしまうと最低限の生活を保障できなくなる可能性がある為]

・お酒、タバコ、ギャンブルなど依存性のあるものに対しては合計して月1万円程度までしか使用できない。[特定の商品やサービスにばかり使用されてしまうと最低限の生活を保障できなくなる可能性がある為]

・個人事業主は決済システムの導入、審査費用をベーシックインカムで支払える。

・税収がベーシックインカムの予算(約170兆円)を超えるまで、使用された電子マネーの分だけ、 市場に通貨を供給する。

利点と問題点

予想される利点

・生活が保障されている為、学習や技術の習得などに集中でき、新しい分野への挑戦がしやすくなる。

・事業に失敗した時のリスクが軽減される為、起業がしやすくなる。

・挑戦することが当たり前の世の中になれば、革新的な技術やサービスや商品が生まれやすくなる。

・借金の返済が今よりも容易になる為、お金を借りる人が増える。

・無理な環境で労働をし続ける必要がなくなる為、ブラック企業と呼ばれるような会社は淘汰される。

・ワークシェアリングを同時に進めれば、一人当たりの労働時間が短縮され、余った時間で消費活動が促進される。

・人材の流動化が進み、働き方が多様化する。

・自動化が促進されて、人工知能やロボット産業が活性化される。

・犯罪、再犯が減少する。

・自殺者が減少する。

・ホームレスが減少する。また、現在ホームレスとして生活をしている人達が部屋を借りるなどの消費活動に加わることで経済効果も期待できる。

・ネットカフェ難民が減少する。

・貧困が原因のあらゆる問題が解消される。

・家族が多いほど、一家庭の支給額も多くなる為、子供が増える。

・育児休暇や介護休暇が得やすくなる。

・子育てがしやすくなる。

・未成年に対しても娯楽の為の電子マネーを支給することで、非行や売春を抑止できる。

・ベーシックインカムの支給額を全国一律にすれば、物価の安い地方への移住者が増え、地方創生に繋がる。

・医療技術の進化次第で、将来どのくらいの金額に膨れ上がるか想像できない年金制度の代わりになる。

・老後の不安からくる多額の貯蓄をする必要がなくなる為、消費活動が促進される。

・「期限付き電子マネー」で支給することで、貯蓄されることなく消費活動が促進される。

懸念される問題点

・働く人がいなくなる…
可能性としてはありますが、自動化が進んだ場合でも結局は働ける人が減ります。また、多くの人はベーシックインカムの11万円だけでは「買いたいけど買えないモノ」が出てくるので、その為に働いて+αのお金を稼ぐのではないかと思います。

・円安…
税収がベーシックインカムの予算(約170兆円) を超えるところまで通貨を供給するとすれば、円安が進むのではないかと思います。

・商品の供給量が不足する…
希少品や贅沢品に関しては品薄になる可能性はありますが、自動化によって生産力が上がる為、生活必需品に関しては心配ないと思います。

・物価が上昇する…
通貨の供給量が増えれば、おそらく物価は上昇します。円安にもなれば、特に輸入関連の商品は値上がりすると思います。でも、ベーシックインカムの支給金額内で生活する消費者をターゲットにしたビジネスも生まれてくると予想できる為、支給額を一定に保つことで生活必需品の物価の上昇は抑えられ、異常なインフレにはならないのではないかと思います。

・格差が広がる…
儲ける人は儲けやすくなり、収入を得ない人はそれでも暮らしていける為、おそらく今よりも格差は広がります。でも、最低限の生活が保障されていて、その人個人が選びたい生活を選べる世の中であれば、いいのではないかと思います。

おわりに

この記事を書くにあたって色々と調べてみたら、多くの著名人や知識人がベーシックインカムに対して肯定的だったので驚きました。特に茂木氏と橋下氏のツイッターでのやりとりと、ベーシックインカム激論が参考になります。リンクを貼ったので、興味があったら見てみて下さい。

参考

ベーシックインカム

ベーシックインカムって何?メリットとデメリットを分かりやすく解説 | 労働問題相談所
茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【橋下市長 @t_ishin のベーシック・インカム論に言及】連ツイまとめ – Togetterまとめ
ベーシックインカム 激論 堀江貴文 東浩紀 他 – YouTube 1. 2. 3.

自動化

20年後には「労働人口の半分」がロボットに仕事を奪われる:英調査 « WIRED.jp
ロボットや人工知能の進化は人間の仕事を2025年までに奪い尽くすのか? – GIGAZINE
あらゆる仕事がロボットによって全自動化された未来を描くアニメーション「The last job on Earth」 – GIGAZINE

TAG

  

コメント

TAG